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悪魔のマーケティング読み終わりました

読んでみて、知っているつもりでしたが、まだまだ認識が甘かったと反省しています。

 

大手のタバコ会社は研究所を所有しタバコについて研究していました。そして50年前にはタバコの害について認識していたのです。

それは表向きは隠され、否定されてきましたし、今でもタバコ会社は認めていません。

ところが会社内部の文書が少しずつ外部に漏れ出てくることになりました。
例えば、マルボロやケントなどを作っていたあるタバコ会社で、ある青年が法律補助員として働き始めました。仕事のため毎日内部文書に目を通すことになります。
彼は喫煙者でしたが、この仕事に就いてしばらくしてタバコをやめました。そして次に上着の内側に文書を隠して持ち出しコピーをして戻すという作業を繰り返しました。

何故か?

タバコ会社の内部でとんでもないことが行われていることに気づき、それを告発するためでした。
タバコ会社の内部では、肺癌や心疾患との関連に気づいていながらそれをどうやって隠し販売するか、どうやってニコチン依存者を作り出すか、を日々研究していたのですから。

 

こういったいわば内部告発され表舞台に出た文書を元に、年代別でタバコ会社が知っていたこととやっていたことの対比をしているのが原文の「Tobacco Explained(タバコ会社が語った真実)」。本書はその日本語訳です。
これを読んで怒りを覚えない人はいないでしょう。
英文であるため、英・米では広く知れ渡り、国家がタバコ会社に損害賠償を請求する訴訟まで起こっています。

 

JTも他人事ではありません。アメリカの23兆円の和解金で解決したタバコ訴訟の被告に名を連ねており責任を認め賠償金の一部を担っていますし、日本で行われたある裁判でも非常に不可解な出来事が起こっています。
日本での不可解な裁判については下記サイトに概要が載っています。肺癌・喉頭癌などのタバコとの関連が明らかな疾患の患者さん7人が、損害賠償請求の他、たばこ自動販売機によるたばこの販売禁止、たばこの広告の禁止、具体的な警告表示をせよ等を求めて、東京地方裁判所に提訴したものです。

http://www.nosmoke55.jp/gakkaisi/200611/index.html

欧米では珍しくない内容で、当時わかっている事実だけでもタバコ会社が勝訴する要因はありませんでした。何しろ1960年代初めごろにはタバコ会社自身がタバコの害を認識していた事がわかっているのですから。

裁判は平常通り進行していきました。

ここで突然奇妙な事が起こります。結審がみえてきた段階でそれまでの裁判長が更迭され、(喫煙者で有名な)裁判長に交代したのです。
その後半年という短期間で結審します。
裁判長が言うには、「ニコチンの依存性は低い、タバコと肺癌、喉頭癌、肺気腫との関連は証明されていない。JT無罪。」

・・・

・・・

 

目が点です。

依存性が低いなら、禁煙の成功率はもっと高くなければなりません。通常で10%、禁煙補助薬を使っても30‐60%(1年後にはこの半数が再開)というデータは何を物語っているのでしょうか?
喫煙者の過半数が禁煙したいと思っているができないというのは?

疾患との関連も疫学上どうやっても否定できないくらい明らかです。
判決では、罹患率が上昇するのは認めるが他の要因が関連している可能性もあるため証明できない、と言っています。アホデスネ。他の要因による影響を補正して結論を出すという、疫学研究の基本中の基本すらこの裁判長は理解していなかったのです。

確かにタバコ関連疾患の具体的なメカニズムについてはまだ不明な点がたくさんあります。これは酒と酔いの関係に例えられます。酒を飲むとなぜ酔っぱらうかは完全には解明されていません。でも酒のせいで酔っ払うのを否定する人いますか?

 

すでに欧米ではタバコ会社というのは、麻薬の売人、悪の帝国、のように扱われているそうです。
そしてタバコ会社の研究員はナチス・ドイツの医学者と比較され、その心理について研究されているとのことです。
人間が悪に手を染める理由を知らなければ予防できないからという理由です。

 

 

最後に、前々回のたばこネタで紹介したあるタバコ会社重役の言葉をもう一度書きます。

「タバコなんざ、ガキや貧乏人に黒人、あとは馬鹿に吸わせておけ」
(タバコのところは本当はshitといったらしい。直訳すると、糞みたいなもん ですね)

実は私は、この重役心の底から悪人ではないと思っています。
なぜなら、本当の悪人なら自分がタバコを吸わない理由を聞かれて、元々呼吸器が弱くて吸えないんです、とか奥さんがタバコのにおいが苦手で服に付いた臭いも気にするんです、とかなんとでも言い訳できたはずなんです。
でもこの人は目の前にいる人に警告したくて本当に思っていることを言ってしまった。心の奥にある良心が少し顔を出してしまったのだと思います。

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コメント

たばこ、なんでやめられないのか
有意識では
「自分は意志が弱いから」と言い訳し
無意識の深い部分では、実は
「たばこは依存性があり、中毒になるものだ」という知識が
刷り込まれていて
「だからやめられないんだ」=「やめられなくても仕方がないんだ」
=「じゃあやめないでおこう」
という回路ができてしまい

それでやめられないのかな、と思っちゃいますよ。

つまり、たばこ製品自体の中毒性はたいしたことがないが
「たばこは中毒性があってやめられない」という洗脳で

いとも簡単に自分の弱さを正当化できてしまう仕組みがあるのではと。
(無論、件の本には、消費者を中毒にさせるための
たばこ会社のたゆまぬ努力と、その具体的方法がたっぷり書かれていますけどね)


人間、意志が弱くたって死ぬわけじゃなし

本当にたばこの香りが好きで重い重いやつを吸っていた
身近な人が一週間もかからず吸うことをやめてしまいました。
長いつきあいですが、全く再開の兆しなしです。
(ご存知のように、ばれずにこっそり吸うことは不可能ですよね)

他の、やめられない人は、喫煙者同士
「やめられない自分」トークを楽しそうに交わしています。

そんなことを読ませていただいて思い出しましたよ。
おじゃまいたしました。

最後の数行にははっとさせられました。
なるほど、もう一回時間あるときに
また読ませていただきますよ。

では。

べこさんこんにちは。訪問ありがとうございます。

依存性があるかどうか、その強さはどの程度かというのは、動物実験などでも研究されています。
今のところニコチンの依存性は覚醒剤の50%位じゃないかと言われています。

薬物依存というのは自分の意志だけではどうにもならないところがあります。風邪を気合で治せ、とか、強く念じれば癌が治る、というのが無理なのはご存知の通りで、薬や手術などの補助が必要になります。ニコチン依存も現在は精神・神経領域の一病名として登録されており、治療には保険が使えるようになりました。

ニコチン補充療法でもある程度の効果がありますが、今一番有効なのはチャンピックスという薬剤です。ニコチン受容体に結合して、タバコからのニコチンが受容体に結合するのを妨げます。また、チャンピックス自体でも少ないながらドーパミンを分泌する反応が起こるので、ニコチン切れの症状も緩和されるようになっています。

補助療法なしでの禁煙も強力な意思があればもちろん可能です。そして、何故かヘビースモーカーの方が成功しやすいと言われています。
ヘビースモーカーになればなるほど、普段から症状が出てくるようになります。ニコチン切れのイライラだったり、息苦しさ、タン、などです。やめると目に見えて症状が良くなるので禁煙継続の動機にしやすいのです。

タバコネタは今後も時々書き込むと思います。時間があったらまたご覧ください。

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